愛はいつでも一方通行で。

遡ること半月程前。

私の書いたある記事が、ある女性に火をつけた。

 

あ、今回も上記の記事と同様、TRPG界隈の人しか読んでもわからないどころか、同じ社会人サークルに入ってる人どころか、まじでピンポイントの人にしかわからない記事なので、ほんっとに、いやいいけど、読んでもいいけど、別に面白くないから、やめといたほうがいいよ。絶対。どひの頭おかしいんかな?って思っちゃうだけだから。

 

 

で、ある女性の心に火をつけたわけだ。いや、乾き始めたかさぶたをビリィ!バリィ!と剥がし、露わになった傷口に指をグリグリした感じになった。いや、先方が勝手にそうなったんだ。

そのある女性(以下:先生)はあるセッションでGMからひどい仕打ちを受けたらしい。それはもう、それはそれは、ここまで3年ほど恨み、更にこれから5年は恨むとのことだ。何したんだ。

 

先生が言うには

NPCが話を聞かない

・どっちも大事だって言ってんだろ!

・話を聞け!!

・勝手にどっか行くな!!

・監禁すっぞ!!!

・話を聞け!!!!!

とのことだ。

そこまで言うセッションってどんななの?何したの?GM何したの?ってなわけで、聞きましたわよ。『ジャーム嵐』。

 

 

ダブルクロス『ジャーム嵐』のあらすじ〜

とある高校でPCたちがある日目の当たりにする『排除の儀』という謂わば集団いじめ。その儀式に各々の大切な存在であるNPCが巻き込まれていく。排除の儀とは何か。それを追う毎に"10年前の事件"が関わっていることが少しずつ明らかになる。

PC達の記憶の奥底に沈んだ"10年前"の記憶。

それを解き明かしながら真実と運命とこれからに向き合っていく話。(合ってる?)

〜〜〜〜〜〜〜

 

まず、まず、めっっっっっちゃ面白かった。

涙なしには無理。すごい。こんなチャチな言葉でしか語れないことが悔しい。何あれ。ちょーすごない?

悪者という立ち位置のNPC達がとにかく憎たらしい。素直にムカつく。だからこそ負かしてやった時の快感も一入。すんごいムカついた。

全PCもとにかくキャラ際立ってて、吐く台詞がいちいちカッコいいし、何?何?

 

とまあ、話したいことはたくさんあるんだけど、今回は全体の話をするターンじゃない。"よしの"の話をしよう。

 

〜PC2  くるみ よしの  について〜

ある高校の女生徒『くるみ よしの(以下:よしの)』はクラスメイトである女生徒『あいだ すずか(以下:すずか)』と非常に親しい仲であり、他の人も入り込めないような深い深い仲である。しかしそこに突如割り込む『よるの ともか(以下:ともか)』という女生徒。

3人は排除の儀と10年前の事件に翻弄され、喪っては取り戻し、くんずほずれつ、愛を確かめ合う。(多分ちょっと違えわ)

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知ってる人しか読まないのに丁寧に説明しちゃった……私丁寧の鬼だから……。

では早速。

 

◯どこにも行かないでって言っているのに

先生は『どこにも行くな!ずっと一緒にいろ!って言ってんのに、あいつら勝手に、相談もなしに!いなくなりやがって……!(泣)』と仰っていた。

すずかは排除の儀に巻き込まれる。排除の儀というのは、対象から大切なものを奪っていき、精神を壊し、この学園から"排除"させるという鬼陰険な内容。クソ。クソオブクソ。

で、すずかにとってよしのは非常に大切な存在である。だからよしのが危ないと考えた。私が存在する以上、よしのが危ない。

だから消えよう。私がいなくなればこの儀式は終わる。私がいなくなれば、よしのを救える。

よしのごめんね。

 

ってなわけで、すずかは『友達の扉』の向こうへ姿を消した。突然だ。

 

愛だよね……まじで。すずかの一生懸命の愛だった。だってさ、よしのに話したら止めるじゃん。『私がすずかを守るから!』って、きっと私の為にボロボロになってくれるのわかる……嬉しいけど、、悲しいよ……。

よしのが望まないのはわかってる。私がいなくなったらきっと……。

でも、私だって、よしののこと守りたい。よしのごめんね。わかってる。"傲慢"だね。

 

……っおぅ危ねえ。また一人称が混ざった……"私"が誰なのかわからなくなるよ……感情移入しすぎて。

 

何も言わずにいなくなるな!とは言うけどさ〜、止めるやん?よしの止めるやん?

守りたいんよ!こっちも大好きなよしの守りたいんよ!!!!

 

でも、ずっと守るって決めたのに、どんなになっても私が守るって、すずかも私と一緒にいるって言ったのに、どうして!!!!というよしのの痛いほどの苦しみはめちゃめちゃにわかる。死ぬかと思った。つまりどっちの気持ちもわかります。

 

◯お前のことも大切だって、言ってんだろーが!

すずかがいなくなった時に発覚する『ともかからのよしのへの気持ち』。

よしのとともかは当初啀み合っていたが、すずかのそれをきっかけに2人は"友達"となる。

排除の儀ですずかを喪ったよしのは寝食もままならず、目に見えて衰弱していった。

すずかを求めて友達の扉の前に行ってはどうして良いかわからずにいる日々。

 

1番にはなれないね。わかってる。よしのの1番はすずか。すずかなんて、このままいなくなってしまえばいいのに。戻ってこなきゃいい。そうすればよしのは私が独り占めできるのに。

でも、よしのの笑顔を取り戻せるのは誰だろう?よしのが一番求めているのは誰だろう。

 

…すずかだ。やっぱりすずかだ。このままのよしのじゃダメなんだ。私は、短絡的で豪快で不器用なあのよしのが好き。よしの。よしのの1番を取り戻してあげるよ。

私の大好きなよしの。そのよしのの大好きを、私も諦めない。"傲慢"なのよ私。

 

ってなわけで、ともかは自分の身を犠牲に友達の扉の向こうからすずかを取り戻す。代わりにともかが友達の扉の向こうへ。

 

先生が『お前も!大切だって言ってんだろ!せっかく友達になれたのに!なんだよ!お前のことも好きなんだよ!!すずかとは違う"好き"だけど、好きなんだよ!!!!』と言っていた。

 

ただ、これは言うまでもなく先生もわかっているだろうけど、ともかは1番になりたかったんだよねきっと……(私の推測なんですけど。)

すずかに向けてるその愛を、私が独り占めしたかった……。

 

よしのがともかへ言った言葉で

『私はあんたを1番にはできない。でも、あんたは私を1番にしていいよ』って言うセリフがあって、先生自身もこのセリフがズルくて残酷なことは理解してるとのことだった。

でもそれはそれとして、ほんと、つらすぎる……。

 

私が好きな男に言われたらどうしようと思った……そんなん、もうフラれてるやん……1番には絶対的になれない……。なりたいのに、今後絶対なれない……なのに好きをやめられない……くるしいよぉ!!!

 

でも、それでも好きな人の幸せを願い、自己犠牲を払う。愛が深すぎるし苦しすぎるつらい。つらい。

 

つらい。。

 

◯愛は一方通行

すずかはよしのを守る為に自分を犠牲にした。よしのが大好きだから。でもそれをよしのは望んでない。

ともかはよしのの笑顔を守る為に自分を犠牲にすずかを取り戻した。よしのが大好きだから。でもそれをよしのは望んでない。

よしのはすずかやともかを守る為ならどれだけ傷付いたっていい。だって2人が大好きだから。でも2人はよしのが傷付くことを望んでない。

 

なんでこうも一方通行なんだろう。でも愛ってそうよね……。

愛する誰かのためなら、この目も鼻も唇も、指も腕も脚も、この命すらも犠牲にしてもいい。それで愛する誰かを守れるなら躊躇わず差し出すよね。

でもそんなことは、愛する誰かも同じように思っている訳だ。

深くなりすぎた愛は互いを傷付け合うね……?

でもそれが愛だね………………。

 

NPCが話を聞かない

これを強く思ったのは、超絶ラストボスのとこ。

私が普通の人だったら自分も傷付かないし、誰も傷付けずに済むのに……私が普通の人だったら……って言ってたから、大好きな君がそう言ってたから、普通の人になれますようにと願ったのに、『どうして私を人にしたの?』って、え???

〈その方が君が幸せになれると思ったから…〉

『それを"傲慢"と言うんじゃないの?』

 

え???なんでそんな責めんの?

 

『私のことどうせ1人にするんでしょ!?』

いや、1人にしない為にこんなにめっちゃ頑張ってるんですけど????

 

え、話聞いてた?今までやってたこと見てた?

どうしたら満足だったの?何?ボゥっと放っておけばよかったんけ?なんなん?

そりゃ、『お前の為に!』みたいな恩着せがましいことは言わんよ。だってそもそもお前に対してこっちが勝手に向けた優しさだからさ。大好きだから優しくしたかったんだよ。

それでもさ、それにしたってさ、なんだよ"傲慢"って。どうすりゃよかったんだよ。。

 

とは思ったけど、こいつらもうこの時ジャームだったわ……そら話聞かんわな……。

でもさ、やっぱ理性ではわかってるわけじゃんか。(私の推測だけど。)

自分の為にしてくれた。優しいあの子が私の為に。ってさ。

 

『1番じゃなくてもいいからもう一度よしのに会いたい。そう願ったのは私。1番になれないことはわかってた。1番じゃないけど私のこと好きでいてくれてる。好きでいてくれてるから、私のことも守ろうとしてくれる。でも、なりたい。1番になりたい。すずかが邪魔だ。すずかさえいなかったら。1番になりたい。1番になりたい。傲慢だってわかってるけど、1番になりたい!1人にしないで!!!』

 

『私のことを守る為に"普通の人にしてあげてください"って願ってくれたよね。わかってる。優しいよねまことくん。でも、そのせいでまことくんが傷付いちゃう。何で。何で。私だってまことくんのこと守りたい。大好き。なんで私のこと普通の人にしてなんて願ったの。そのせいでまことくんが。何で。何でそんな、私なんかのために傲慢な優しさを向けるの。』

 

……こんな感じで葛藤の末に、苦しんだ末に狂ったんかと思うとさぁ……もうおばちゃん泣いちゃうよお……あたしだめだわぁ、こういうの泣いちゃうのよお……。

 

話通じなかったけど、心ではわかってたと思うよ……でも狂ってたからさあ……もう欲望のままにしか言葉が出てこんのよねえ……苦しかったねえ……ほんと…………。

 

 

 

とまあ、4000字を超えたわけだわ。

とりあえず私としては、私としての感想としては……彼女らなりの愛だったよ……。不器用な愛だったよ。

相手を悲しませるとわかった上で、守りたかったんだよ……。私が例えばすずかやともかの立場でもアレしてた……。

 

でもよしのも超絶つらかった……。

大切な人が儚くも消えていくのを救えなかった遣る瀬無さとか、『私が守るって言ったのに…!』っていう、この…なんていうの…?この、あんたらは何も考えなくていいから私に頼ってよって感じとかさ……。

わたしがよしのの立場だったらどうしただろう…って色々考えさせられちゃった……。

 

だからこそ最後3人が仲睦まじくパフェ突いてるのがもう素敵すぎて。。

いいよ腹の肉なんて。気にすんなよ……たぁんと召し上がれよばかやろうが……幸せになれよ……。

 

日常を取り戻した3人がさ、どんな感情抱いてるかなんてもうわかんないけどさ、もしかしたらともかは時々『よしのの1番になりたい』とか思って枕を濡らす日があったりするのかわかんないけどさ……とにかく、とにかく、生きててくれてありがとう。

 

こういう感情を他のPCにも抱いたり、このPCの立場だったら自分ならどうする?とか色々考えさせられました。傑作です。

 

こんな素敵なセッションをしてくださったGMとPLに感謝しかない……素敵なセッションをありがとう……。

聞き終わっちゃった……。

明日から何を楽しみに生きればいいの……。

 

 

 

◯すずとも!監禁させろ!あさひ!城くん監禁しろ!

しない。